系統用蓄電池の基礎工事・地盤調査とは|重量物を支える基礎と、稼働前の試験までの流れ

柱状改良の機械で地盤改良を行っている様子
地盤調査の結果に応じて、地盤改良を行う

はじめに

電気は、使えているうちは意識されにくく、止まって初めてその大切さに気づくものです。系統用蓄電所は、その電気をためて必要なときに送り出す設備ですが、機器を据える前に、それを支える地面と基礎をつくる工程があります。

この記事では、地盤調査で何を確認するのか、地盤改良が必要になるのはどんなときか、基礎工事はどう進むのか、そして稼働前の試験までの流れを、工事の現場からご紹介します。当社の対応内容は系統用蓄電池設備事業のページでご紹介しています。

なぜ基礎と地盤が重要なのか

系統用蓄電池は、コンテナ型の筐体に電池モジュールやPCSを収めた構造が一般的で、面積あたりの荷重が大きい設備です。太陽光発電設備の架台であれば杭基礎で対応できる場合が多いのに対し、蓄電池のコンテナは面全体で荷重を受け止める必要があるため、べた基礎を採用することが多く、鉄筋量やコンクリートの厚みの考え方も変わります。

地盤が軟らかいままだと、敷地内で沈下量に差が出る不同沈下が起こるおそれがあります。筐体が傾けば、配管や配線にも負担がかかり、稼働後の点検にも影響します。

地盤調査では何を確認する?

設置前の地盤調査では、おもに次のような項目を確認し、基礎の形式や地盤改良の要否を判断する材料にします。

  • ・地盤の支持力:ボーリング調査やサウンディング試験による地耐力の測定
  • ・土質構成:盛土や軟弱層の有無と、その深さ
  • ・地下水位:地下水の深さと、季節による変動の傾向
  • ・ハザード情報:浸水想定区域や液状化のリスク

調査そのものは数日から一週間程度で終わることが多いものの、結果を解析して基礎設計に反映するには時間がかかります。用地の契約を進めるタイミングと並行して、早めに手配しておくと後の工程が楽になります。


逆に、地盤調査を後回しにしたまま基礎の設計や見積りを進めると、着工間際になって地盤改良の追加が判明し、費用や工期の見直しが必要になることがあります。

地盤改良が必要になるケース

調査の結果、基礎の設計だけでは対応しきれない場合は、地盤そのものを改良します。盛土地や埋立地、農地から転用した土地では、想定より軟弱な層が広がっていることがあります。

下の写真は、柱状改良を行った現場です。専用の機械で地面に穴をあけながら固化材を混ぜ、地中に柱状の改良体をつくって設備を支えます。改良する深さや本数は、調査の結果をもとに決まります。

 

柱状改良を終えた改良体の頭が並んだ状態
改良を終えた部分。この上に基礎をつくります。

現場のひとこと
地盤改良は、基礎をつくってからでは手を入れられない工程です。土の中の話なので図面だけでは決まりきらず、掘ってみて初めて分かることもあります。

基礎工事はどう進む?

着工前には、蓄電池メーカーが指定する設計荷重や固定方法の仕様を確認し、基礎の配筋や寸法に反映させます。あわせて、消防法上の離隔距離や隣地境界からの距離といった配置の条件も確認しておきます。これらは自治体や消防への事前相談で確認できることが多いため、設計と並行して進めておくと、後からの配置変更を避けやすくなります。

工事は、掘削、砕石、捨てコンクリート、配筋、型枠、コンクリート打設、養生という流れで進みます。

 

蓄電池の基礎の鉄筋を組み上げた配筋の様子
面全体で荷重を受けるため、鉄筋を密に組みます。

コンクリートの強度が出るまでの養生期間を確保してから、コンテナやPCSの搬入・据付に進みます。養生を急ぐと強度に影響するため、天候や気温による硬化の差も踏まえて工程を組みます。

なお、当社は基礎の設計・強度計算を自社で行い、基礎工事そのものは協力会社とともに、元請けとして一括でお引き受けしています。電気工事まで同じ体制で見ているため、配管の位置や機器の据付条件を通して検討できます。

搬入経路と重機の計画

蓄電池のコンテナは大型のトレーラーで運び込み、クレーンで吊り上げて据え付けます。そのため、前面道路の幅や曲がり角の通行可否、電線や信号機などの障害物を事前に確認しておく必要があります。

 

クレーンで吊り上げた蓄電池コンテナ
コンテナはクレーンで吊り上げて基礎へ据え付けます。

搬入経路の確認が足りないと、当日になって入れないということにもなりかねません。現地での事前調査と、関係先への申請や調整を工程に組み込んでおきます。

現場のひとこと
据える位置は基礎のアンカーで決まっているので、吊り下ろすときの微調整が肝心です。クレーンの手配と玉掛けは自社で行っています。

稼働前に行う使用前自己確認

基礎工事と機器の据付が終わったら、設備を稼働させる前に、電気事業法に基づく使用前自己確認を行います。設置者自身が技術基準への適合を確認して届け出る制度で、一定規模の設備が対象になります。

確認では、外観点検のほか、接地抵抗測定、絶縁抵抗測定、直流側の絶縁耐力試験、保護装置試験などを実施します。太陽光発電設備と重なる項目も多いものの、蓄電池では充放電の両方で確認する項目がある点が特徴です。

 

直流側の耐圧試験は、端子を養生し、試験器を据えて行います。当社は試験器を自社で保有しているため、工程に合わせて実施できます。

 

測定した値は記録として整理し、報告書にまとめます。竣工時の数値は、保安管理を担う電気主任技術者にとって、その後の経年変化を判断する基準になります。測定の条件まで含めて残しておくと、次の点検が進めやすくなります。

早い段階で、工事の側にも相談を

系統用蓄電池の計画では、機器の選定や系統連系の手続きに目が向きがちですが、用地の地盤条件、搬入経路、基礎の設計は、事業の成立そのものにかかわります。どれも、あとから変えるのが難しい部分です。

当社は、基礎の設計・強度計算から造成、地盤改良、基礎工事、機器の据付、電気工事までを元請けとして一括でお引き受けしています。これまでの工事は系統用蓄電池設備の施工実績からご覧いただけます。

お問い合わせ

「候補地の地盤が心配」「搬入経路が通るか見てほしい」「基礎から電気工事まで通して頼める会社を探している」といった段階でも大丈夫です。株式会社トラストでは、埼玉・千葉を拠点に全国各地で、系統用蓄電池設備の工事に対応しています。計画の早い段階からご相談ください。

 

 

埼玉本社 TEL 048-792-0027
千葉営業所 TEL 0476-85-8428
受付時間 9:00〜18:00(土日祝日定休)

Contactお問い合わせ

高圧電気設備工事・系統用蓄電池・太陽光のことなら、
トラストにお任せください。

設計・施工・電気工事・使用前自己確認試験まで、電気工事は自社で一貫対応。
北は北海道から南は九州まで、全国幅広いエリアでの施工実績がございます。
まずはお気軽にご相談ください。