アルミケーブルの施工講習を開きました|銅の高騰と盗難対策で注目される理由と施工のポイント

社内で開いたアルミケーブルの施工講習会の様子
アルミケーブル用の圧着工具

はじめに

電気は、使えているうちは意識されにくく、止まって初めてその大切さに気づくものです。電気を運ぶ電線も同じで、ふだん目にすることはほとんどありませんが、ここ数年、その電線をめぐる状況が大きく変わってきています。銅の価格が大きく上がり、電線の盗難も耳にするようになったことから、銅の代わりにアルミを使ったケーブルを採用する現場が増えてきました。

 

当社でも、ケーブルメーカーと端子メーカーの担当の方をお招きして、社内でアルミケーブルの施工講習会を開きました。この記事では、講習の様子とあわせて、アルミケーブルの特徴や施工のポイントを現場の目線でご紹介します。

アルミケーブルとは?

アルミケーブルは、電気を通す導体に、銅ではなくアルミを使ったケーブルです。銅のケーブルに比べて電線そのものの費用を大きく抑えられることから、幹線など太いケーブルを使う現場を中心に、採用が広がっています。

 

アルミの電線と聞くと、「本当に大丈夫なの?」と不安に思われる方もいるかもしれません。ですが実は、鉄塔に張られている送電線には、鋼線のまわりにアルミ線をより合わせた「鋼心アルミより線」などが広く使われていて、アルミは電気を送る電線として昔から身近な素材です。銅よりも電気を通しにくい一方で、軽くて強度を持たせやすいことから、長い距離を張り渡す送電線ではむしろ主役になっています。

 

アルミの電線に不安なイメージがあるのは、かつて海外で、住宅の細いアルミ配線をコンセントやスイッチにつないだ接続部が発熱し、火災につながった事例が問題になったことが大きいと言われています。問題になったのは電線そのものよりも、接続部の処理でした。現在は、アルミ専用の端子や工具、施工の手順が整えられていて、決められた手順を守ることで確実に施工できます。この記事でご紹介する講習も、まさにその手順を身につけるためのものです。

 

また、電線の盗難対策としてアルミケーブルを選ぶ現場も増えています。大型の施設では、建物の電線をすべてアルミに切り替えているところもありました。

銅からアルミに替えて、気をつけることはない?

アルミは銅に比べて電気を通しにくいため、同じ電流を流すには、銅よりも太いケーブルを選ぶ必要があります。目安としては1ランク太いサイズになり、太いケーブルほど、さらにサイズが上がることもあります。

 

また、アルミは表面に酸化した膜ができやすく、銅の端子とそのままつなぐと腐食が起きやすいため、アルミ用の工具や端子を使った専用の手順で施工する必要があります。そのぶん、銅のケーブルに比べると工事の手間は少し増えます。それでも、電線そのものの費用が大きく下がるため、工事全体で見ると予算をかなり抑えられるケースが多くあります。

講習の様子と施工のポイント

講習では、メーカーの担当の方から説明を受けながら、実際に社員一人ひとりがアルミケーブルの端末を加工していきました。

 

メーカーの担当者の説明を受けながらアルミケーブルの端末を加工する社員
社内で開いたアルミケーブルの施工講習会

被覆をむきながら、表面を整える

まず、専用の工具でケーブルの被覆をむいていきます。この工具は、被覆をむくのと同時に、アルミの導体の表面を削ってきれいに整えることができます。表面の酸化した膜を落としておくことで、端子としっかり接触させることができます。

 

バイメタル端子で銅とつなぐ

アルミと銅を直接つなぐと、異なる金属どうしが触れ合うことで腐食(電食)が起きやすくなります。そこで使うのが、アルミ側と銅側を一体にしたバイメタル端子です。ケーブル側はアルミ、機器につなぐ側は銅になっているため、電食を起こさずに、アルミケーブルを銅の端子台や機器に接続できます。

 

アルミ側と銅側が一体になったバイメタル端子
アルミケーブルとバイメタル端子

圧着工具で圧着する

端子は、専用の圧着工具で圧着します。講習で使った圧着工具は、端子の太さを自動で判別してくれるもので、サイズの選び間違いを防ぎながら、確実に圧着することができます。

 

テープを巻いて絶縁処理

最後に、端子とケーブルのつなぎ目に自己融着テープを巻いて、絶縁処理をして仕上げます。

 

自己融着テープを巻いて絶縁処理をしたアルミケーブルの端末
テープを巻いて絶縁処理をした端末

現場のひとこと
テープの巻き方のコツは、高圧ケーブルの端末処理と同じ感覚です。講習を受けた社員には資格証も送られてくるので、自信を持って施工できます。社員みんなで実際に手を動かして覚えられたので、講習をやって本当によかったと思っています。

計画の段階から、アルミという選択肢を

アルミケーブルは、銅に比べて太さが変わるぶん、配線のルートや、端子・機器への納まりも含めて検討しておく必要があります。新設や更新の計画を立てる段階から、アルミケーブルを選択肢に入れておくと、予算と施工の両面で無理のない計画を立てやすくなります。

 

電気は止まってから慌てるより、使えているうちに備えておくほうが、影響を小さく抑えられます。電線の盗難対策や、ケーブルの更新を考えるきっかけとしても、アルミケーブルは検討する価値のある選択肢です。当社の高圧電気設備工事の対応内容は、高圧電気設備工事業のページでご紹介しています。

お問い合わせ

「幹線の更新でアルミケーブルを検討したい」「銅とアルミ、どちらがよいか相談したい」といった段階でも大丈夫です。株式会社トラストでは、埼玉・千葉を拠点に全国各地で、高圧受電設備や幹線の新設・更新工事に対応しています。まずはお気軽にご相談ください。

 

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