ハンドホールの蓋、最後に開けたのはいつですか|地中の配線を見られる唯一の場所

ハンドホールの蓋を開けたところと蓋開けに使った工具
蓋を開ける道具を持っていなかったので、電線を通してハンマーで叩き、引き抜いて開けた

はじめに

電気は、使えているうちは意識されにくく、止まって初めてその大切さに気づくものです。ただ、地面の下に埋まっているハンドホールの中となると、使えていても、止まっても、なかなか目が向きません。

 

工場や施設、発電所の敷地には、たいていハンドホールがあります。地面に埋め込まれたコンクリートの箱で、地中に通したケーブルを引き入れたり、つないだり、向きを変えたりするための場所です。今回はこの箱の話です。当社の高圧電気設備工事の対応内容は、高圧電気設備工事業のページでご紹介しています。

ハンドホールとは?

地中にケーブルを通すとき、長い距離をまっすぐ一本で引き通すことはできません。引き入れる力にも限りがありますし、途中で方向を変えることもあります。そこで、一定の間隔や曲がり角にハンドホールを設けて、そこから線を引き入れたり、余長を納めたりします。

 

言い換えると、地中の配線の様子を目で見られるのは、ここだけです。埋め戻してしまった配管の中は見えませんが、ハンドホールの中なら、ケーブルがどう通っているか、どんな状態かを確かめられます。

最後に蓋を開けたのは、いつでしょうか

以前、離れた屋根に太陽光発電設備を設置する工事で、交流側のケーブルを通すルートを探していたことがあります。既設の配管が使えないかを確かめるため、敷地の中のハンドホールを、六か所ほど片っ端から開けていきました。

 

開けてみると、どこも多かれ少なかれ水が入っていました。中でもひとつは、高圧のケーブルと通信線が、すっかり水に浸かっている状態でした。

 

水が溜まったハンドホールの中と水に浸かったケーブル
開けてみると水が溜まり、ケーブルが浸かっていました。

ケーブルを手でたどってみると、表面はぬるぬるしていました。長く水に浸かっていた設備を前にすると、絶縁体の中を水が侵していく水トリーという現象も頭をよぎり、正直なところ、触るのも怖いという感覚がありました。

現場のひとこと
自分たちの工事の範囲ではありませんでしたが、見なかったことにもできません。後日、別件の停電工事で現場に入ったときに、ついでに水中ポンプで水を抜きました。電気が生きたまま水に手を入れるのは危ないので、停電しているタイミングを選んでいます。

水が入ること自体は、珍しくありません

ハンドホールは地面に埋まっているので、雨水や地下水がまったく入らないようにするのは現実的ではありません。水が入ること自体は、ある程度は想定されています。

 

問題は、溜まったまま誰も見ていないことです。ケーブルが浸かった状態が何年も続けば、傷みは進みます。ところが、蓋を開けなければ、水が入っていることにすら気づけません。

 

このときは、水を抜いたあとに主任技術者の方が絶縁抵抗を測り、数値そのものは問題ありませんでした。そのうえで、設備の持ち主の方と「水が溜まると分かったのだから、これからはこまめに見よう」という話になりました。開けてみたから、そういう話になったわけです。

なぜ、ハンドホールは開かないのか

ひとつは、誰の担当かがはっきりしないからだと思います。盤の中は点検で開けます。屋外の機器は目に入ります。地面に埋まった箱は、点検の範囲に入っているかどうかも契約によって違います。結果として、誰も開けないまま年月が過ぎます。

 

もうひとつは、道具の問題です。蓋の穴の形は一様ではないので、手持ちの道具が合わないこともあります。冒頭の写真は、蓋を開ける道具を持っていなかったときのものです。穴に電線を通し、ハンマーで叩いて引き抜きました。ふだん開けない場所なので、道具のほうも現場に来ていないわけです。

 

場所が分からなくなることもあります。別の現場では、草を刈って初めてハンドホールが顔を出しました。土の上にあると、少しずつ埋もれて見えなくなっていきます。

これから埋める設備にできること

地中の配線は、埋め戻したあとに手を入れるのが大変です。だからこそ、埋めるときにできることがあります。ひとつは、配管の上に埋設シートを敷くことです。将来この場所を掘る人に、下に電力ケーブルがあることを知らせるためのものです。

 

掘削した溝に敷いた電力ケーブル用の埋設シート
埋め戻す前に、配管の上へ埋設シートを敷きます。

もうひとつは、地上に表示杭を打っておくことです。ルートが変わるところや、見通しの悪いところでは、間隔を詰めて打っておくと、あとで探すときに助かります。

 

埋設したケーブルの位置を示す表示杭を打ち込んだところ
地面に表示杭を打ち、ルートが分かるようにしておきます。

あわせて、埋め戻す前の写真にルートを描き込んで、設備の持ち主にお渡しすることもあります。図面が残っていても、実際にどこを通っているかは、写真のほうが伝わることが多いからです。

現場のひとこと
表示のない場所を掘り返したことがあります。手がかりがハンドホールの向きだけで、近くに光ケーブルもあったので、危ないところは手掘りでした。あの苦労を次の人にさせないために、埋めるときにできることをやっています。

年に一度、蓋が開くかどうかだけでも

中まで細かく点検しなくても、蓋が開くかどうかを確かめておくだけで意味があります。固着していて開かない、土に埋もれて見つからない、という状態では、いざ何かあったときに手が出せません。

 

点検の機会に、主任技術者の方と相談して、一度開けてみることをおすすめします。水が溜まっていれば、その場で分かります。ほかの高圧設備の工事事例は、高圧電気設備の施工実績からご覧いただけます。

お問い合わせ

「蓋が固くて開かない」「ハンドホールの場所が分からない」「開けてみたら水が溜まっていた」といったご相談でも大丈夫です。株式会社トラストでは、埼玉・千葉を拠点に全国各地で、高圧受電設備や地中ケーブルの工事に対応しています。現地調査で状況を確認し、必要な工事をご説明いたします。

 

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