系統用蓄電所の電気工事|埋設配管・接地から機器の据付まで自社で対応しました

機器の据付が進む系統用蓄電所
天秤を使ってPCSを吊り込み、据付位置に合わせる作業

はじめに

電気は使えているうちは意識されにくく、止まって初めてその大切さに気づくものです。蓄電所も同じで、完成すると機器が整然と並んでいるだけに見えますが、その足元には配管や接地といった、後から手直しすることが難しい工事が埋まっています。見えなくなる部分をどれだけ丁寧に仕上げておくかが、長く安定して動かすための土台になります。

 

この記事では、現在工事を進めている系統用蓄電所の現場をもとに、埋設配管や接地から機器の据付までの流れを、現場の目線でご紹介します。

系統用蓄電所はどんな機器でできているのか

系統用蓄電所は、発電所とは別に単独で設置され、電力会社の送配電網(系統)に直接つないで、電気をためたり送り出したりする設備です。電気の需要と供給のバランスや市場の価格に合わせて充電と放電を行い、電気が足りない時間帯に送り出すことで、系統の安定に役立てられています。

 

今回の現場は、蓄電池を20台並べ、蓄電池制御盤、PCS(パワーコンディショナ)、MCCB盤、変圧器を経て、連系設備から電力会社の系統へつながる構成です。それぞれの機器は監視制御装置(EMS)につながっていて、状態の監視や充電・放電の制御を行います。機器は1台で数トンになるものも多く、決められた位置に正確に据え付けることが工事の要になります。

 

系統用蓄電所の機器構成図。蓄電池、蓄電池制御盤、PCS、MCCB盤、変圧器、連系設備を経て系統へつながり、各機器はEMSにつながる

当社の系統用蓄電池設備の対応内容は、系統用蓄電池設備事業のページでご紹介しています。

基礎と電気工事は、まとめて頼める?別々でもいい?

蓄電所の工事は、基礎、電気、機器の据付と、いくつもの工種が重なります。当社では普段、基礎の設計や強度の計算から、電気工事、機器の据付までをまとめてお引き受けすることが多く、窓口を一つにできるため、工程や取り合いの調整を進めやすくなります。

 

一方で、今回のように基礎を別の業者さんが施工する形もあります。今回は元請けさんが基礎を含めた全体を取りまとめてくださったため、当社は電気工事と機器の据付に集中して取り組むことができました。どちらの形でも対応できますが、基礎と電気を分けて発注する場合は、基礎の中を通す配管の位置や立ち上げの高さを、コンクリートを打つ前にすり合わせておくことが大切です。コンクリートを打ってしまうと、配管はもう動かせないためです。

施工事例:関東の系統用蓄電所

見えなくなる部分から

工事は、敷地を掘削して埋設管を敷設するところから始まりました。機器の台数が多いぶん配線も多くなり、管の本数もそれに合わせて増えていきます。機器の下に来る位置では、管を束ねて立ち上げ、基礎の鉄筋の中を通しています。

 

管を埋め戻す際には、埋設シートを敷いています。将来この場所を掘ることがあったときに、下に電線が通っていることに気づけるようにするための目印です。

 

接地工事では、接地棒を地中に打ち込み、接地抵抗を測定して基準を満たしていることを確認しました。

 

現場のひとこと
基礎の中を通る管は、コンクリートを打ってしまうと動かせません。今回一番苦労したのも、この埋設管でした。埋めてしまえば見えなくなる部分ですが、後から直せないからこそ、手を抜けないところです。

墨出しとアンカー

基礎ができあがると、機器を据え付ける位置を基礎の上に印していく「墨出し」を行います。図面をもとに機器ごとの位置を出し、その墨に合わせてアンカーボルトを施工しました。

 

揚重と据付

揚重には、日頃からお世話になっている、仕事の丁寧なクレーン会社さんのラフタークレーンをお願いしました。玉掛けと合図、機器の据付は当社の作業員が担当しています。当社でもこれまでは、重量物の据付を専門の業者さんにお願いすることが多くありましたが、今回は墨出しから据付までを自社で通して行いました。

 

蓄電池、PCS、キュービクルと、順番に吊り込んで据え付けていきます。据え付けた機器の脚元を見ると、あらかじめ出しておいた墨とアンカーの位置がそろっているのがわかります。

 

墨とアンカーの位置にそろって据え付けた機器の脚元
墨とアンカーの位置に合わせて据え付けた機器の脚元

現場のひとこと
据付と電気工事を同じ会社で行う場合や、段取りのしっかりした元請けさんが全体をまとめてくださる場合は、配線の出口や機器の向きを考えながら据え付けることができます。墨どおりに収まると、そのあとの配線もスムーズに進みます。

ほかの蓄電池設備の事例は、系統用蓄電池設備の施工実績からご覧いただけます。

計画の段階から相談しておくことが大切です

蓄電所は、機器が据わってしまうと、配管の位置や機器の向きを変えることが難しくなります。動き出してから慌てるより、工事が始まる前にどこまで決めておけるかで、その後の工事の進めやすさが大きく変わります。配管のルートや機器の配置、基礎との取り合いは、計画の段階から電気工事の目線を入れておくことで、手戻りを減らすことができます。

 

なお、今回の現場は現在も工事が続いています。配線や試験の様子は、改めてご紹介する予定です。

お問い合わせ

「蓄電所を計画しているが、基礎から電気までまとめて相談したい」「電気工事や据付の部分だけ頼みたい」といったご相談も承ります。株式会社トラストでは、埼玉・千葉を拠点に全国各地で、系統用蓄電池設備、高圧電気設備、太陽光発電設備の工事に対応しています。まずはお気軽にご相談ください。

 

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