電気室のDS・LBS交換工事|寸法の違う新しい機器を既設の設備に納める

大型施設の電気室にある受変電設備
新しい機器を取り付ける作業

はじめに

電気は、使えているうちは意識されにくく、止まって初めてその大切さに気づくものです。電気室の受変電設備は、何十年も同じ場所で働き続けることが珍しくありませんが、長く使われた設備ほど、いざ機器を入れ替えようとしたときに、新しい機器と寸法が合わないといった壁に当たることがあります。

 

この記事では、大型施設の電気室で、DS(断路器)1か所とLBS(高圧交流負荷開閉器)3か所の交換、あわせて母線の張り替えを行った事例をもとに、古い設備に新しい機器を納めるまでの流れを、現場の目線でご紹介します。

DSとLBSの役割とは?

DS(断路器)は、点検や工事のときに回路を切り離すための機器です。電気が流れている状態で開け閉めするものではなく、停電させたあとに、回路を確実に切り離しておくために使います。LBS(高圧交流負荷開閉器)は、電気が流れている状態でも回路を開け閉めできる機器で、ヒューズと組み合わせて、変圧器などの機器を守る役目も担っています。

 

今回の電気室は、鉄パイプを組んだ骨組みに機器を取り付けていく形の受変電設備です。キュービクルのように箱に納まっていないぶん、機器の位置や配線の通り道が、その設備ごとに作り込まれています。

 

鉄パイプを組んだ骨組みに機器を取り付けた受変電設備
工事前の電気室の受変電設備

当社の高圧電気設備工事の対応内容は、高圧電気設備工事業のページでご紹介しています。

古い機器は、新しいものにそのまま付け替えられる?

同じ役目の機器であっても、年代やメーカーが変わると、大きさや取付穴の位置、端子の形が変わっていることがよくあります。そのため、古い機器を外して新しい機器をそのまま同じ場所に付ける、というわけにはいかないことも少なくありません。

 

とくに長く使われてきた設備では、交換する機器に合わせて取付位置をずらしたり、骨組みを補強したり、配線の通し方を変えたりといった、現地での調整が必要になります。こうした作業の量は、現地調査の段階でどこまで見極められるかで大きく変わってきます。ただ、どれだけ事前に確認していても、実際に始めてみると想定と違うところが出てくるのが古い設備です。そのときにどう対応できるかという、現場での対応力も欠かせません。

施工事例:大型施設の電気室

まずは安全の確保から

停電後、作業する範囲に短絡接地器具を取り付け、作業中であることがわかる表示を掲げてから作業に入ります。電気室の中にはほかの設備も並んでいるため、どこまでが作業範囲かをはっきりさせておくことが大切です。

 

長年の固着との格闘

既設のDSを取り外す作業で一番苦労したのが、機器を固定していたナットです。普段はあまり見かけない大きなサイズのナットで、長い年月のあいだにすっかり固着しており、外すまでにかなりの時間と力を要しました。

 

固着したナットを外して既設のDSを取り外す作業
固着したナットを緩める作業

LBSも3か所、同じように既設の機器を取り外していきました。機器は高い位置に取り付けられているため、上で外したものを下の作業員が受け取り、床まで降ろしています。

 

現場のひとこと
長く使われてきた設備では、ボルトやナットの固着は避けて通れません。無理に力をかけると周りの部品まで傷めてしまうので、焦らず少しずつ緩めていきます。こういう作業にこそ、時間の余裕を持った段取りが効いてきます。

寸法の違う新しい機器を、既設の骨組みに納める

今回もっとも手間がかかったのは、新しい機器の取り付けです。どの機器も既設のものとは大きさがかなり違い、とくにDSは横幅がまったく異なっていたため、既設のパイプの骨組みにはそのままでは納まりませんでした。取付位置をずらし、アングルを追加して加工し、配線の取り回しも変えながら、一つずつ納めていきました。

 

機器を固定したら、端子の締め付けはトルクレンチを使い、決められた力で確実に締め付けています。

母線の張り替えと端末処理

あわせて、機器どうしをつなぐ母線も張り替えました。既設のケーブルは端子の形が変わるため、端末を処理し直して新しい端子に付け替えています。

 

現場のひとこと
既設のケーブルがとにかく硬く、端末の加工はなかなか手ごわい作業でした。それでも、以前この設備を手がけた方が端末を長めに処理しておいてくれたおかげで、切り詰めて付け直す余裕があり、とても助かりました。次に触る人のことを考えた仕事は、何年たっても現場を助けてくれます。

交換を終えたDSとLBS
母線を支えるがいし

ほかの高圧設備の工事事例は、高圧電気設備の施工実績からご覧いただけます。

古い設備ほど、早めの計画が大切です

長く使われてきた設備では、同じ形の機器がすでに手に入らないことも多く、今回のように交換のたびに加工や調整が増えていきます。そのぶん工事の準備や停電中の作業にも時間がかかるため、故障してから慌てて取りかかると、復旧までに思った以上の時間を要することがあります。

 

電気は止まってから慌てるより、使えているうちに状態を確認し、どの機器をいつ頃替えるかを計画しておくほうが、停電の時間も影響も抑えやすくなります。

お問い合わせ

「電気室の機器が古くなってきたが、交換できるのか見てほしい」「新しい機器が今の設備に納まるのか相談したい」といった段階でも大丈夫です。株式会社トラストでは、埼玉・千葉を拠点に全国各地で、高圧受電設備の新設から更新・改修工事まで対応しています。現地で状況を確認し、工事の進め方や停電時間の見込みをご説明いたします。まずはお気軽にご相談ください。

 

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