はじめに
電気は、使えているうちは意識されにくく、止まって初めてその大切さに気づくものです。電気室の中には、ふだん目にすることのない機器がいくつも並び、それぞれが役目を果たしながら建物の電気を支えています。
この記事では、大型施設の電気室で、LBS(高圧交流負荷開閉器)の交換と、高圧進相コンデンサ・直列リアクトル2組の交換、そして交換後の耐圧試験までを行った事例をもとに、工事の流れを現場の目線でご紹介します。
LBSと高圧進相コンデンサの役割
LBSは、電気が流れている状態でも回路を開け閉めできる機器で、ヒューズと組み合わせて、変圧器やコンデンサなどの機器を守る役目も担っています。
高圧進相コンデンサは、モーターなどの機器によって生じる電気のロスを抑え、電気を効率よく使えるようにする(力率を改善する)ための機器です。直列リアクトルはコンデンサと組み合わせて使われ、コンデンサに流れ込む余分な電流を抑える役目を持っています。どちらも長く使ううちに劣化が進むため、年数や点検の結果を見ながら更新を考えていく機器です。
当社の高圧電気設備工事の対応内容は、高圧電気設備工事業のページでご紹介しています。
機器を交換したら、そのまま使い始めていい?
機器を新しくしたら、すぐに電気を送ってよいわけではありません。取り付けや接続に問題がないか、新しい機器や配線が高い電圧に耐えられるかを確かめてから、はじめて電気を送ることができます。
今回の工事でも、交換を終えたあとに絶縁抵抗の測定と耐圧試験を行い、問題がないことを確認しています。耐圧試験の準備や流れについては、別のコラムで詳しくご紹介しています。
施工事例:大型施設の電気室
作業前の検電
作業に入る前に、検電器で電気が来ていないことを一つずつ確かめます。停電の操作をしたあとでも、実際に電圧がないことを自分の目で確かめてから機器に触れる、というのが高圧の作業の基本です。
LBSの交換
既設のLBSを取り外し、新しいLBSを取り付けていきます。本体を取り付けて接続を終えたら、最後にヒューズを入れて交換完了です。
コンデンサと直列リアクトルの交換
コンデンサと直列リアクトルは、2か所で入れ替えました。電気室までは階段での搬入となりましたが、重量屋さんが人の手でしっかりと運び上げてくれました。
新しい機器を据え付けたら、端子を決められた力で締め付け、締め付けたところにマーキングをしていきます。マーキングをしておくことで、締め忘れがないか、あとから緩んでいないかが一目でわかります。
現場のひとこと
コンデンサの端子は、とくに締め付けトルクに注意しています。機器には必ず締め付けトルクの値が表示されているので、その値のとおりに締めます。この値が思っているより弱めなので、いつもの感覚で締めるのではなく、必ずトルクレンチで表示の値に合わせることが大切です。
絶縁抵抗の測定と耐圧試験
交換を終えたら、高圧メガーで絶縁抵抗を測って状態を確かめたうえで、耐圧試験を行いました。試験で問題がないことを確認してから、電気を送っています。
ほかの高圧設備の工事事例は、高圧電気設備の施工実績からご覧いただけます。
止まってから慌てないために
LBSやコンデンサは、ふだんは静かに働いているぶん、劣化に気づきにくい機器です。日頃の点検で外観や状態を確認し、年数のたった機器は計画的に更新しておくことで、急な故障による停電を防ぎやすくなります。
とくに停電の時間を短くしたい施設では、どの機器をいつ替えるかを前もって決めておき、試験までを含めた段取りを組んでおくことが大切です。電気は止まってから慌てるより、使えているうちに備えておくほうが、影響を小さく抑えられます。
お問い合わせ
「LBSやコンデンサが古くなってきたので、交換を相談したい」「交換から試験までまとめてお願いしたい」といった段階でも大丈夫です。株式会社トラストでは、埼玉・千葉を拠点に全国各地で、高圧受電設備の新設から更新・改修工事、各種試験まで対応しています。まずはお気軽にご相談ください。
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