開放型電気室の高圧機器をまとめて更新|VT・CT・DS・LBS・コンデンサ・配電盤の交換工事

更新を終えた開放型電気室の全景
更新を終えた電気室。パイプで組んだ架台に機器が取り付けられている

はじめに

電気は、使えているうちは意識されにくく、止まって初めてその大切さに気づくものです。建物の電気室も、ふだん利用される方の目にふれることはほとんどありませんが、照明や空調をはじめ、館内の設備を支える大切な場所です。

 

今回は、公共施設の電気室で、高圧の機器をまとめて更新した工事をご紹介します。当社は施工として工事を担当しました。当社の高圧電気設備工事の対応内容は、高圧電気設備工事業のページでご紹介しています。

開放型の電気室とは?

高圧の受電設備というと、金属の箱に機器を収めたキュービクルを思い浮かべる方が多いと思います。これに対して開放型は、電気室の中にパイプで組んだ架台を設け、そこに機器を取り付けていく形式で、比較的古い建物や規模の大きな建物でよく見られます。

 

機器が部屋の中に広がっているぶん、交換の作業も天井近くの高い位置が多くなります。

今回交換した機器とその役割

  • 計器用変圧器(VT):高圧の電圧を低い電圧に変えて、計器や継電器に伝える機器です
  • 変流器(CT):流れている大きな電流を小さな電流に変えて、計器や継電器に伝える機器です
  • 断路器(DS):点検や工事のときに回路を切り離すための機器で、電流が流れている状態では開け閉めしません
  • 高圧交流負荷開閉器(LBS):ふだんの電流を入り切りできる開閉器で、ヒューズと組み合わせて機器を守ります
  • 母線:受電した電気を、それぞれの機器へ分けて送るための電線です
  • 進相コンデンサ・直列リアクトル:力率を改善するための設備で、リアクトルはコンデンサと組み合わせて使います
  • 変圧器:高圧の電気を、建物の中で使える低い電圧に変える機器です
  • 配電盤の計器・継電器:電圧や電流を表示する計器と、異常を検知して回路を切り離す指令を出す継電器です

まとめて交換する必要はある?

「まだ動いている機器まで替える必要があるのか」と思われるかもしれません。電気室の機器はお互いにつながって働いているため、一部だけを新しくすると古い機器との取り合いの調整が必要になり、別の機器を替えるたびに停電も必要になります。

 

同じ時期に設置された機器は交換の目安となる時期も近いため、まとめて更新すると停電の回数を減らせ、この先の点検や管理も見通しやすくなります。とくに公共施設では、停電の日を決めるにも利用される方へのお知らせや休館日との調整が必要になるので、一度の停電で済ませられることは大きなメリットです。

 

ただし、年数が来たから機械的に交換する、という考え方ではありません。何を替えて何を残すかは、日ごろ設備を見ている電気主任技術者の判断によるところで、まだ使える機器を無理に交換する必要はないと考えています。当社は、その判断をもとに工事をお引き受けしています。

 

一方で、危険だと指摘された機器や、絶縁抵抗が落ちてきている機器については、今は使えているからと先送りにしないでいただきたいと考えています。止まってから交換する場合、機器の手配や停電の調整に時間がかかり、その間の影響も大きくなります。

施工事例:VTとCTの交換

まずは計測のもとになるVTとCTの交換です。新しい機器を取り付けて配線を接続し、端子のねじには締め付けを確認したしるしをつけながら作業を進めました。

 

施工事例:断路器(DS)の交換

DSは天井近くの架台に取り付けられているため、上を向いたままの作業が続きます。取付金具の位置を合わせてから機器を固定し、ケーブルを接続していきました。

 

天井近くの架台で断路器(DS
天井近くの架台で、DSを取り付けているところです。
架台に取り付けた新しい断路器(DS
取り付けを終えたDSを下から見上げたところです。

現場のひとこと
開放型の電気室は機器が天井近くに並んでいるので、上を向いたままの作業が続きます。足場の掛け方や、工具の受け渡しの段取りが、そのまま作業の速さに出ます。

施工事例:母線の分岐

母線からそれぞれの機器へ電気を分ける部分は、母線の被覆を必要な長さだけはぎ取り、分岐用の金具で接続します。はぎ取る長さは短すぎても長すぎてもいけないため、一か所ずつ確かめながらの作業です。

 

母線から分岐して新しい負荷開閉器(LBS
母線から分岐したケーブルを、新しいLBSへ接続しました。

施工事例:配電盤と制御配線

配電盤は、計器や継電器を盤面ごと交換しました。盤の中には細い電線が何十本も入っていて、電線につけた番号(線番)を一本ずつ確かめながら接続していきます。

 

計器や継電器を新しくした配電盤の内部配線
盤面ごと新しくした配電盤の内部です。
線番をつけた制御線を接続した端子台
電線には一本ずつ線番をつけ、図面と照らし合わせながら接続します。

機器の状態を盤に知らせる配線も新しくしています。機器の温度を知らせるセンサーや、LBSの入り切りを知らせる接点スイッチなど、目立たないところですが、電気室の状態を正しくつかむために欠かせない部分です。

 

現場のひとこと
盤の配線は、線番を一本ずつ確認しながらつないでいきます。地味な作業ですが、ここを間違えると、復電してから原因を探すことになります。

更新は早めの計画が大切です

電気室の機器は、止まってから交換しようとすると、機器の手配や停電の調整に時間がかかり、その間の施設の運用にも影響が出てしまいます。複数の機器をまとめて更新する場合はなおさらで、機器の納期や停電日の調整も含めて、余裕をもった計画が大切です。

 

ほかの高圧設備の工事事例は、高圧電気設備の施工実績からご覧いただけます。

お問い合わせ

「設置からかなりの年数がたっている」「点検で交換をすすめられたけれど、どこから手をつければいいか分からない」といった段階でも大丈夫です。株式会社トラストでは、埼玉・千葉を拠点に全国各地で、キュービクル・開放型を問わず高圧受電設備の更新工事に対応しています。現地調査で状況を確認し、工事の流れや停電時間の見込みをご説明いたします。

 

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