はじめに
電気は使えているうちは、あまり気にされることがありません。設備が古くなっていても「今使えているから大丈夫」と後回しにされがちですが、止まったときに初めて、その大切さに気づくことになります。特にPASや高圧ケーブルは、敷地に電気を引き込む入口にあたる設備で、ここが止まると建物全体の電気が使えなくなります。
この記事では、先日行ったPASと高圧ケーブルの交換工事をもとに、工事の流れや停電時間の考え方を現場の目線でご紹介します。
PASと高圧ケーブルの役割とは?
PAS(高圧気中負荷開閉器)は、お客様の敷地に立つ1号柱に取り付けられている開閉器で、敷地内で漏電などの事故が起きたときに、電力会社側へ影響が広がらないよう切り離す役目があります。高圧ケーブル(高圧CVTケーブル)は、1号柱から敷地内のキュービクルまで電気を送る太いケーブルで、地中に埋設された管の中を通っていることが多い設備です。
当社の高圧電気設備工事の対応内容は、高圧電気設備工事業のページでご紹介しています。
停電時間はどれくらいかかる?
工事の停電時間は、1号柱からキュービクルまでの距離や、ケーブルが通っている経路によって大きく変わります。距離が長い場合や、途中にハンドホール(地中の点検口)が多い場合は、そのぶん作業に時間がかかります。後ほどご紹介する現場では、約5時間の停電で工事を行いました。当社では現地調査で経路を確認したうえで、停電時間の見込みをお伝えしています。
施工事例:北関東の店舗でのPAS・高圧ケーブル交換
今回の工事は、電気主任技術者の点検で交換を指摘されたことがきっかけでした。現場は北関東の店舗で、お客様の1号柱からキュービクルまで約70m、途中にハンドホールが1か所ある経路です。ハンドホールからキュービクルまで新しいケーブルを通し、反対側は1号柱まで伸ばして接続しました。
お店は営業中に停電できないため、電力会社と日程を調整したうえで、深夜の限られた時間の中で作業を進めました。停電時間は0時から5時ごろまでの約5時間です。また、1号柱の周りに高所作業車が入れなかったため、柱に昇り、胴綱で体を支えながらの作業となりました。新しい高圧ケーブルの荷下ろしには、ユニック車(クレーン付きトラック)を使用しています。
現場のひとこと
高所作業車が使えない現場は珍しくありません。事前の現地調査で、車両が入れるか、どこに停められるかまで確認しておくことが、当日の時間短縮につながります。
既設ケーブルが抜けない場合もあります
高圧ケーブルの交換で一番読めないのが、古いケーブルが管の中から抜けるかどうかです。これは現地調査の段階では判断できず、停電後に実際に引っ張ってみて初めてわかります。
今回も、まずキュービクル側でケーブルを切り離し、引っ張って少し動くことを確認してから本格的な作業に入りました。
現場のひとこと
ケーブルを引っ張るこの瞬間が、一番緊張しますね。少しでも動けば、抜けると判断して作業を進めます。
当社の経験では、地中の管の中でケーブルが固着して抜けないケースが、100件に1〜2件ほどあります。その場合は無理に作業を続けず、すぐに電気を戻して営業や操業への影響を抑え、別の方法を後日改めて検討します。こうした可能性があることも、事前にお伝えしたうえで工事を行っています。
ほかの高圧設備の工事事例は、高圧電気設備の施工実績からご覧いただけます。
止まる前に、状態を知っておくことが大切です
PASや高圧ケーブルは比較的早く交換できる設備ですが、キュービクル内の機器などは、故障すると部品の手配や復旧に時間がかかる場合があります。電気は止まってから慌てるより、使えているうちに状態を確認し、計画的に更新しておくほうが、停電時間も影響も抑えやすくなります。
お問い合わせ
「点検で交換を勧められたけど、どう進めればいいかわからない」「設備が古いけど、まだ使えるのか見てほしい」といった段階でも大丈夫です。株式会社トラストでは、埼玉・千葉を拠点に全国各地で、高圧受電設備の新設から更新工事まで対応しています。現地調査で状況を確認し、工事の流れや停電時間の見込みをご説明いたします。まずはお気軽にご相談ください。
埼玉本社 TEL 048-792-0027
千葉営業所 TEL 0476-85-8428
受付時間 9:00〜18:00(土日祝日定休)
